『頭文字D』伝説のクルママンガ 名勝負列伝02 AE86対シビック(EG6)編

 クルママンガの金字塔『頭文字D』の名勝負を紹介する本企画(第1回はこちら)、第2回となる今回は、異例の特別ルールが採用された、勧善懲悪でスカッとするバトルを紹介しよう(第4巻 第33話「進化する天才!!」〜第37話「そして拓海はまたボケる」より)。
 本記事文末には当該バトルが繰り広げられるシーンの「1話丸ごと掲載(無料)」もあるので、じっくり楽しんでほしい。
文:安藤修也 マンガ:しげの秀一

■連載第1回 激闘の「vs.RX-7(FD3s)編」はこちら

【名勝負 登場車種】

■先行:トヨタ・スプリンタートレノ(AE86型)
→ドライバーは藤原拓海。当初、走り屋的なことに興味がなかったものの、高橋啓介(FD3S型RX-7)と中里毅(R32GT-R)を真っ向勝負で打ち破り、走ることの楽しさを知りはじめてきた。意中のなつき嬢とのデートのためにも愛車を欲しがる純情ティーン。

■後追い:ホンダ・シビック(EG6型)
→ドライバーは庄司慎吾。「妙義ナイトキッズ」内ではエース格の中里毅と張り合う。 “口だけ野郎”かと思いきや、前哨戦となった「秋名スピードスターズ」の池谷(S13型シルビア)とのバトルでは、左足ブレーキを使いこなしてブッちぎるほど、FF乗りとしては相当な腕前を誇る。

※同時スタートしたものの、シビックが「見物するため」わざとハチロクの後方へ。慎吾曰く、「B-16A(エンジン)はホンダの最高傑作。本気を出せばスタートダッシュで遅れをとるわけがない!!」だそう。

【バトルまでのあらすじ】

 秋名山のハチロクが群馬エリアの走り屋たちの間ですっかり話題になっていた。妙義ナイトキッズのR32GT-に勝利したことで、その評判はますます高まり、ナイトキッズの残党たちが次々と秋名山へ足を運んでくる。そんななか、「群馬エリアのダウンヒル最速」を自負する庄司慎吾が、“ガムテープデスマッチ”という、危険なルールで拓海に挑むことになる。

【バトル考察】

 慎吾が拓海に提示した条件は、右手をステアリングにガムテープで固定して走ること(真似しちゃダメ絶対!)。作中で池谷も解説しているが、右手を固定することでステアリングがあまりきれなくなる。FFならオーバーステアをアクセル操作で止められるが、FRはオーバーステアを止めるのにカウンターステアを切りたいところを、手が固定されていてはドリフトコントロールが激ムズになる。つまりハンデ戦だが、先輩の池谷をバカにされたことで、ぐぬぬと逆上した拓海はその条件を呑んでしまう。

 慎吾は、正統派の小悪党だ。登場シーンから、不敵な笑みを浮かべて「くっくっく」と笑っているし(←性格悪いやつの笑い方)、池谷とのバトルでは、クルマを当ててスピンさせたうえ、「ヘタすぎるお前が悪い」とほざく。

 ハチロクとのバトルでも、「事故らせるように後ろからガンガンプレッシャーをかけてやるぜ‼」とハチロクを先行させ、ストレートでも抜けるのにあえて抜かない。さらに、拓海が恐ろしく速いと知ると、「どんな手を使ってでも勝つ」と、今度はコーナー入口でフロントに荷重がかかったハチロクのリアを小突き、スピンさせる。

 最終的に勝てないとわかると、トゥギャザーしようぜとばかりに、高速コーナーでハチロクのインへ「ダブルクラッシュ狙い」の突っ込みを敢行。結果、かわされて、単独クラッシュ(笑)。バトル後に、愛車の痛ましい姿を見て涙を流すのだが、ここまでくると、逆にかわいく思えてくる。今後、拓海の前にはモノホンのライバルたちが立ちはだかってくるわけで、それらに比べたら彼のやってることはなんとも涙ぐましく、小物感が溢れててかわいいのだ。

 慎吾の敗因は、拓海のバトル中の成長であり(すぐに右手固定走行のコツをつかむ)、なによりハチロクを小突いたこと。スピン状態になるも、360度ターンして立ち直った拓海は、まだケツの青い高校生だったため(?)、「わざとやりゃーがったなァ…ムカついた!」と、チャッカマンのように一瞬でキレる。そして、「キレればキレるだけ速くなる」という設定でハチロクをぶん回し(ガードレールに当て、土手に乗り上げながら)シビックを追走! 得意の「溝落とし」でスパッと前に出るのだ。

 なお、慎吾のシビックは、いわゆる“スポーツシビック”。ハンドリングが良く、低重心で安定感があり、歴代シビックの中でも人気の高いモデルである。現在40代中盤以上の世代にとって、なんとも白飯が進むモデルであり、その“シビック愛”から、慎吾のことをニクめないという読者も多いとか多くないとか。

 異例のルールのもと、FFとの不利なバトルを制した拓海。途中、「ハチロクはガードレールを越えて谷底行きだ!!」とまで言い放つ“絶対悪”を、キレながら叩きのめすという、どちらが勝つか分かっていても、なんとも読み応えのある爽快なバトルだ。勧善懲悪ストーリーでスカッとしたい人は、今すぐ読み返してほしい!

■【1話丸ごと掲載】(第33話)

■掲載巻と最新刊情報

『頭文字D』(しげの秀一著)第4巻
『MFゴースト』(しげの秀一著)第6巻

■サイト【頭文字Dプロジェクト】、オープン!

  頭文字Dを軸にクルマ関連コンテンツが集結する自動車エンタメプロジェクトがオープン。週刊誌「ヤングマガジン」やコミック、動画、SNSなどで発信された『頭文字D』関連情報が、このホームページで網羅できます。もちろん『MFゴースト』の情報も! オーバー!

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