カローラスポーツが絶賛でも不安なところ 期待どおり!? ガッカリ!? 

ついに2018年6月26日、オーリス改めカローラスポーツが発売となった。本来であればもっと注目されていいはずのトヨタの新型車。しかしどうにも話題になっていない気が……。やはりクラウンと同日発表だったり、「カローラ」という車名になんとなく古臭さが感じられてしまったりと、市場に逆風が吹いているのでしょうか。

しかしどうやら乗ればえらいこといいクルマのようだし、1年後には「GT」も発売されるらしい。

本稿ではこの新型カローラスポーツに試乗した際の考察や、このモデルの立ち位置などを紹介してゆきたい。もうちょい頑張れカローラスポーツ! ちょっと地味ですぞ!!

文:Laptrinhpic編集部
2018年7月10日号より


■大幅に進化したプラットフォーム

このカローラスポーツは、プリウス、C-HRと開発、進化させてきたトヨタの新世代プラットフォーム「TNGA」をベースにした、第3弾モデルとなる。なお実物は、事前に見ていた欧州仕様や北米仕様の写真よりだいぶカッコいいです。

オーリス改めカローラスポーツは6月26日発表発売。価格は最上級グレードのHYBRID G“Z”で268万9200円。1.2LターボのGで225万7200円
オーリス改めカローラスポーツは6月26日発表発売。価格は最上級グレードのHYBRID G“Z”で268万9200円。1.2LターボのGで225万7200円。この顔が今後の「カローラ」のスタンダードになってゆくようです

ホイールベースは2640mmでプリウスよりも60mm短く、C-HRと同サイズ。開発を担当した小西良樹チーフエンジニアによれば、

「基本的にはC-HRとフロア、パワートレーンは共通で開発を進めてきました」

とのこと。

ただし、ねじり剛性10%アップ、ステア回りの剛性アップ、新開発ショックアブソーバーの採用、AVS(可変ダンパー)などの採用により、プリウスやC-HRよりも大幅にシャシー性能は進化している。

搭載されるエンジンはプリウスやC-HRと同じ1.8Lハイブリッド(FFのみ)と、こちらもC-HRと同じ1.2Lターボの2タイプ。1.2LターボにはFFと4WDがあり、FFモデルには6MTの設定もあるのが特筆点。

リアフォルムが特徴的なハッチバック。「カローラ」の名前を冠することで販売増を狙うが、はたして……?
リアフォルムが特徴的なハッチバック。「カローラ」の名前を冠することで販売増を狙うが、はたして……?

■なぜハイブリッドは新開発2Lではないのか?

 新型カローラスポーツが発売されるにあたり、最も気になるポイントとして注目されていたのが、欧州仕様に用意される「トヨタの次期主力ユニットとなるであろう2Lハイブリッドユニットが日本仕様にも搭載されるかどうか。

結論から言えば、日本仕様には(1.8Lハイブリッドが搭載され)2Lハイブリッドは搭載されなかった。

「燃費などでは最新の2Lハイブリッドのほうがいいのは事実ですが、お客様がカローラクラスに2Lは大きすぎると感じられるという意見が多く、まずは(信頼性の高い)1.8Lハイブリッドでしっかりとこのクルマの存在感を認知していただこう、ということです。ニーズが高まれば、将来的には2Lハイブリッドの導入も検討したいと思っています」

と前述の小西チーフエンジニア。

世界戦略車として欧州、アメリカなどでも販売される。ライバルはVWゴルフ、メルセデスベンツAクラスなど競合ぞろい
世界戦略車として欧州、アメリカなどでも販売される。ライバルはVWゴルフ、メルセデスベンツAクラスなど競合ぞろい

■ハイブリッドに4WDがないのはなぜ?

さらに気になるのが、ハイブリッドグレードに4WD仕様が存在しないこと。

「このクルマにプリウスほどのリアスペースがあればいいのですが、オーバーハングが短く、後部衝突安全性を考慮すると(後輪駆動用バッテリー等がキャビンに入り込むリスクがあり)4WD化は難しいという判断です」(小西CE)

とのこと。ううむ、残念。

とはいえこのカローラスポーツ、ボディサイズは全長4370mm、全幅1790mm、全高1435mmでホイールベースは2640mm。前後重量配分を最適化するためにアルミボンネットフードを採用し、エンジンやバッテリーなどの搭載位置はフロントアクスル上にするなど、細部までしっかりと考えられている。

前後重量配分は1.2Lターボで62対38とのこと。

ダッシュパネルが低く設計されているため、前方視界が良好に。「エコ」6MT仕様はシフトチェンジ時に回転を
ダッシュパネルが低く設計されているため、前方視界が良好に。「エコ」、「ノーマル」、「スポーツ」など走行モードを選べる。また6MT仕様はシフトチェンジ時に自動で回転を合わせてくれる「iMT」を国内初採用している(MT仕様は2018年8月発売)

また、かねてより当サイトが伝えているハイパワーバージョン「GT」も忘れてならないポイント。1年後の2019年初夏にデビューを控えており、その心臓部には240〜250psを発揮する直3、1.6Lターボが積まれる。こちらの登場も楽しみだ。

以下、プロである自動車ジャーナリストにこのカローラスポーツの「出来」を聞いてみた。

■「これほどよくなったら、ライバルはどうするの?」鈴木直也の分析

 プリウスで初めて新開発TNGAプラットフォームに乗って、「これはいい!」と驚いたわけですよ。そして第2弾がC-HRで、これもかなりいいと感じた。

 そして今回のカローラハッチバックとなるわけだけど、ある意味、このクルマが最もコンベンショナルな形態なワケですよ。プリウスは超燃費指向のハイブリッドという立ち位置があり、C-HRは車高の高いSUV。今回のカローラスポーツは最も「普通」の存在としてTNGAプラットフォームを使った最初のモデルだよね。トヨタの中核を担う、販売的にも最も大量に世界で売っていくクルマ。

 その中核ミドルレンジがこれほどよくなっちゃったら、ほかのクルマはどうするの!? と感じましたね。

シャシーはものすごくよく仕上がっている。サーキットで乗ってこれほど「いい」と感じたのだから、一般道で乗っても乗り心地や操安性の面で不満はないだろう。例えばピットロードから走り出す時の、最初のひと転がりのスムーズさ、スッと走り出す上質感が感じられる。これってヨーロッパ車的。で、なかなか日本のミドルレンジ車では味わえない感覚。かなりハイレベルです。

走行性能については多くのジャーナリストが絶賛するカローラスポーツ
走行性能については多くのジャーナリストが絶賛するカローラスポーツ

■「しっかりお金をかけている」松田秀士の分析

ここ最近の国内仕様カローラは、正直いってちょっと「やっつけ仕事」の感じがあったと思うのです。ある程度の仕上がりになっていればいい、という作り手側の妥協というか、方向性が見えていました。

しかし、今回のカローラハッチバックはしっかりとお金をかけて、いいものを作った、ということが伝わってきます。シャシー、ボディがしっかりしていて足がしっかりとよく動く。特に可変ダンパー「AVS」仕様がいい。5段階にモード切り替え機能があるのですが、「S+」モードにするとサーキットを元気に走って楽しい固さになるいっぽう、「コンフォート」モードのソフトな足でもしっかりとダンピングが効いてしなやか。

今回の試乗では、わざとサーキットコーナーイン側の縁石に乗るように走ってみたのですが、タタタンと足が動いて衝撃をいなしてくれる。しっかりと足が動いているのですが、これはボディがガッチリして衝撃を受け止めているから。

夜間歩行者、自転車対応の新世代トヨタセーフティセンスが全グレード標準装備となっている点は高評価。MT車ではACCはないもののレーンキープアシストが付いているなど、本格的です。

また、ドアミラーがドアマウントになって側方視界が優れているなど、細部までしっかり作り込まれています。

※     ※     ※

「乗ればすごくいい」ということは、充分わかったカローラスポーツ。

ただ問題は、そこからどう乗ってくれるまで知名度を上げていくか、だろう。なにしろ「このクルマに乗ってみよう」と思わせるだけのキッカケが、いまのところ、ない。これから各所でプロモーション戦略が始まるはずだが、ぜひともトヨタは(製品に自信があるならよけいに)このクルマの宣伝・広報活動を頑張ってほしい。

なお最後に悲しい情報が入ったのでさらっとお伝えしますが、来年登場予定のカローラアクシオ(セダン)もこのカローラスポーツと同じプラットフォームを利用するので、カローラセダンとしては初めて(5ナンバーではなく)3ナンバーボディとなるようです。

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